11月13日(火)に enspace ビジネス交流会 vol.3 伊藤羊一氏のパーソナルに迫る に参加しました。べストセラー「1分で話せ」の著者でありYahoo!アカデミア学長である伊藤羊一氏。
失敗や成功事例など、人生の荒波をどのように乗り越えてきたのか。そして、これから来るビジネスの世界で生き残るために必要な考え方や行動は何か。数多くのヒントを得ることができるセミナーでした。
本セミナーは、次のような悩みをお持ちの方におすすめでした。参加出来なかった方に少しでもお役に立てればと思い、レポートさせていただきます。
登壇者:「1分で話せ」著者の伊藤羊一氏とは
今年発売のビジネス書の中で20万部を突破した書籍は、3冊ありました。
そのうちの1冊が「1分で話せ」。
6月に仙台でセミナーしたときは、6万8千部。それから20万1千部に増加しベストセラーになりました。
サッカーの三浦知良選手と年齢が1ヶ月しか違わない、伊藤羊一氏。昔、ベガルタ仙台のファンをしていたため、仙台や東北が好きな方です。以下、経歴。
東京大学経済学部卒業
ヤフー株式会社 コーポレートエバンジェリスト Yahoo!アカデミア学長 / 株式会社ウェイウェイ 代表取締役
1990年日本興業銀行入行、企業金融、事業再生支援ほかに従事。2003年プラス株式会社に転じ、流通カンパニーにてロジスティクス再編、グループ事業再編などを担当した後、2011年執行役員マーケティング本部長、2012年より同ヴァイスプレジデントとして事業全般を統括。2015年4月ヤフー株式会社に転じ、次世代リーダー育成を行う。グロービス経営大学院でリーダーシップ科目の教壇に立つほか、IBM Blue Hub、KDDI ムゲンラボ、MUFG Dijital アクセラレーター、Code Republicなどのインキュベーションプログラムでメンター、アドバイザーを務める。自身が代表を務める会社でも講演、企業研修などを積極的に実施。
Point1:世界はどんどん変わる
2007年に、iPhoneが発売され一気にスマホやタブレットが普及しました。
上図は、2005年と2013年のローマ法王が決まった時のバチカン観衆の比較画像です。
たった8年で、世界の人々の行動が変わりました。
IT第3の波
1980年代に、PCの登場。1995年に、インターネット。第3の波として、ビッグデータ、 AI、VR、IoT、ブロックチェーンなどの登場。
IoT
「IoT」を「IoE」と言った方が相手に伝わりやすい。
「IoT」は、Internet of Thingの略で、「インターネットに接続されるもの」という意味。インターネットにつながるものと言えば、以前はスマホやタブレット、PCなどのデバイスでしたが、現在はさまざまな「もの」がインターネットにつながるようになりました。
一方「IoE」という言葉は、「IoT」をさらに発展させたもので、Internet of Everythingの略です。すべてのものがインターネットにつながります。
例えば、タクシーの降り方が変わる「Japan Taxi Wallet」は、到着前にお支払い手続きができるようになりました。タクシー車両の後部座席に搭載されたタブレットに表示されたQRコードを「JapanTaxi(ジャパンタクシー)」アプリを使って読み込むだけで、到着前にお支払い手続きが完了します。従来は、タクシーを降りる際に小銭を探して出す手間がありましたが、レシート(領収書)をもらうだけで降りることができます。
(注意:対応していないエリアもあります)その他、農業分野では、GRAのミガキイチゴ(一粒一千円の高級イチゴ)は、IoT、IoEで変化・成長しています。
特に、IoTで一番進んでいる企業は、建設機械大手・小松製作所(コマツ)です。パワートラックのデータが全部、本社に集まってきます。その膨大なデータの建機の位置情報や車両情報を通信で取得することによって、顧客にさまざまなサービスを提供しているのが特徴です。
Data
インターネットにつながることで、データがたまってきます。データは、10年で40倍の爆増。単位はZB(ゼタバイト)で、膨大な量。
ビジネスの仕方も変わってきます。例えば、データを蓄積していくと、どんなお客さんがどんなものを買っていったのか等が分かるようになります。
大切なのは「データをためて、何をやるのか?」を考えるコト。 どう使っていくかをビジネスに考えていくのが大切です。
AI
例えば、ヤフーのトップページは、AIが最適化を実施し一人ひとりのタイムラインが違います。写真は、PCの画像からAIが切り取って表示しています。
アプリのタイムラインは、閲覧履歴をもとにDeep Learningで最適化したことで、利用者滞在時間が6.9%伸長しました。
Yahoo!ショッピングは、注文履歴なくとも、検索履歴からレコメンド(利用者が興味ありそうなコンテンツを掲載すること)で、CTR(クリック率)が4.5倍向上しました。
ソフトバンクは、Watsonを活用して採用を効率化しています。
正答率は75%ぐらい。人間が判断したら100%が正解とすると、AIは7割が正解。
とにかく、Watsonに読み込ませ、合格と判断したら全通しする。不合格と判断したら、人間が全部見て3割の中に良い人を採用判断します。
ビジネスへの影響
AIが得意なのは「ルールが明確」「大量なデータがある(たまっていく)」「数式で表せる&確率・統計な世界」。
一方、AIが不得意なのは「ルールが変わる」「データが適当(人間vs人間)」「抽象的&意味が大事なこと」。
AIが得意なところは今後、職を奪われてしまうと言われています。
そこで、AIに職を奪われずにビジネスをするには、以下が大切です。
- 【問いを立てる】
「なぜ、やっているのか?」
「なぜ、あなたは困っているのか?」- 【抽象化/構造化・アート】
「左脳」と「右脳」を使い、ロジカルに考える- 【コミュニケーション】
相手のことを意識し、考える
Point2:働き方もどんどん変わる
ヤフーの働き方改革の例:
- 新入社員も新幹線で通勤可能
自分の住む場所は、可能な限り自由に。新入社員も新幹線で通勤可能になりました。本社は永田町にありますが、静岡から通勤する方もいます。- 自転車通勤も可能に
10km圏内であれば、自転車通勤が可能になりました。電車に乗らなくても良くなりましたので、待ち時間の解消や混雑時の疲労やストレスの軽減等が期待できます。- フレックスタイム制
コアタイムは10:00〜15:00。例えば、ある方は、朝にサーフィンして、夕方にもサーフィンする方もいます。- どこでもオフィス
テレワークにより、どこで働いても良くなりました。働く場所の自由が生まれました。ある方は、海外在住で、打ち合わせ時はテレビ会議等で打ち合わせをしています。これから来る世界は、「働く時間、場所が自由に選択できるように」なります。
自由に選択できるとは、「自分の人生を徹底的に自分でリードできる、ということ」です。
自分の人生を自分でリードさせ、ワークスタイルも自分で決めていきましょう。
Point3:Lead the self
伊藤羊一氏の「ライフラインチャート」が上図です。ライフラインチャートとは、縦軸に満足度(充実度)、横軸に過去の年齢(時間軸)をとったグラフのことです。人生の荒波が表現されていますね。
銀行に就職してすぐ、やる気を失い、26歳のときにうつ病を発症。
そんなとき、明和地所の案件が指名され「やっていいんだ」という自信を持てるように急回復。
その後、頭取メール事件やネット炎上事件など、様々な修羅場をくぐり抜ける。
リーダーは何をするか、学んだ
プラス(アスクルを作った会社)に転職。
2011年の東日本大震災では、会社の物流復旧リーダーとして、リード。
そこで、リーダーは何をするかを学んだ。
「リーダーの仕事は、意思決定すること」
例えば、「A、Bどちらを取るか?Aを取る。Bを捨てる。」その際、メリット・デメリット等のマトリクスを書いていくのは、リーダーではない。
自分の想いで決めるのが、リーダーである。
譲れない想いは?
「信念(自分にとって譲れない想い)は、何か?」を考えることが大切。
具体的に、どうやるか?
それは、「自分で考え、人と話すこと」
過去が現在につながる、現在の自分自身を知るために、過去を振り返る。
その結果、伊藤羊一氏は、譲れない想いが育まれ右肩上がりの人生に変わりました。
人は変われる
人間関係はフラット
リーダーとは何か?を質問すると、「自分の強みを一番発揮できるようにしてくれる人」と回答する方が多い。また、人を巻き込みたいリーダーになりたいという方も多いです。
自分自身が熱狂している人に、人がついてきます。
まず大事なのは、自分自身がリードされていること。
自分の譲れない想いをちゃんと認識していることが大切。
全てはHappinessのために、「自分がこうなると自分が幸せ」「社会がこうなると自分が幸せ」になることが大切。
社会がみんな笑顔になるために自分が犠牲になるのではなく、自分も幸せになること。
そのためには、様々な人と言いたいことを言い合える関係づくりをしていく。
自分自身に熱狂し、社会にも熱狂していく。
意識していないと、ついつい自分自身だけで終わるため、気をつけたい。
Will(志)は、過去を経験して固まってきた自分の譲れない想いの、その先に「あるもの」。
過去が現在につながり、現在は未来につながる。
今の生活の延長線になるため、普通に暮らしていたら何も変わらない。
本当に変わりたいと思う場合は、今日から行動を変えること。
「未来を変えるには、行動を変え経験を変えること」が大切。
今、ここにある仕事に全力で取り組むこと。
「未来は予測するものではなく創るもの」
「未来は僕らが創るもの」
「あなたの譲れない想いは何ですか?」
「あなたのWill(志)は何ですか?」
「ともに、未来を創ろう」
質疑応答の抜粋
ーQ1. 信念は、どのように見出したのですか?
ーA1. 長い時間をかけて自分の信念を見つけてきました。20年かかって、日々考えないとよくわかりません。一瞬で何か変わるときがあるかもしれないですが、やっぱりそうじゃんということがわかります。
ジャブを打ち続けること。日々やり続けることが大切です。大事なのは、思ったら、すぐに行動する。行動したら、振り返り気付きを得ることです。これを繰り返すと良いです。それを毎日やるのは、やりたいことがあるからです。
ーQ2. どのように好奇心を持つように変わったのですか?
ーA2. 今は好奇心がありますが、昔は好奇心がありませんでした。昔は休みの日に美術館などに行くよりもゲームをしている派でした(笑)。そのため、好奇心を持つためにために、すげー人たちに属しました。その人たちは、「すげー」「やべー」の2つの言葉しか言っていません(笑)。
そこで、Webの記事を見て、この情報は「やべー」と声に発するようにしました。音声にするのが大切。すると、世の中すごいものばかりに見えてきました。
その結果、今は好奇心を持つように変わりました。
ーQ3. 自分の価値観を相手にわかってもらうように説明するには?
ーA3. 次の5つを意識して説明することが大切です。
- スッキリ簡単にすること。誰でもわかる言葉。
- ロジカルに話をすること。意味がつながること。
- イメージをもってもらうこと。あーあれ、いいね。目をつぶって、イメージできること。
- 自分が言いたいことは、要するに、なにか一言でまとめて説明すること。
- 気合い。わかってもらえるように気合いで言うこと。
あと詳細は、「1分で話せ」の書籍に詳しく書いてあるので、読んでみてください。
まとめ
気づき
おかげさまで、本セミナーでは、数多くのヒントを得ることができました。伊藤羊一さんをはじめ、会場提供して下さったenspaceさん、参加者のみなさん、ありがとうございました。
以下、3点の気づきが得られました。
- 今後、どのようなビジネス状況でも生き抜いていけるように「問いを立て、ロジカルに考え、コミュニケーション」していくことが大切。
- 自分にとって譲れない想い(信念)をしっかり持ち、自らが行動して変わっていくことが大切。
- 行動を変えない限り何も未来が変わらない。行動を変えていくことで、新しい未来が創れる。
私の譲れない想い
改めて、私の譲れない想いを考えました。それは、以下です。
朝の習慣で人は変われる
人に貢献することで、自らが成長する
簡潔にいうと、朝型の習慣に切り替えて、成長が早くなった。コミュニティで様々な人とつながり、自分の実践経験をシェアしたり、サポートし貢献していくことで、さらに自らの成長につながった。これらを今後も大切にしていきたい。と想っています。
今後、様々な人とつながり、数多くの方に貢献しながら成長し、地域社会も成長できる仕組みをつくっていきたいと思います。
ともに、より良い未来を創っていきましょう!