日本のアジャイルをオンラインでツナぐコミュニティのAgile Japan EXPOは、2020年4月30日(19時〜21時30分)に、オンラインによる第1回目のイベントを開催しました。
参加者は、181名でした。北海道から沖縄県まで、日本中のアジャイルのコミュニティが集結し、参加者と共にリモートワークでの悩みやノウハウ、様々な活動について共有し、つながる場。大変良い刺激や気づきを得られましたので、参加出来なかった方に少しでもお役に立てればと思い、レポートさせていただきます。
オンライン Agile Japan EXPOのイベント概要
イベント開催背景
「リモートワークが加速する今だからこそ、日本中をアジャイルで繋げたい!」という想いを持ったAgile Japan EXPOのコミュニティメンバーのおかげで、開催されました。
裏話を聞くと、2週間前に企画し、開催が決定したとのこと。
その開催背景には、2020年5月20日(水)に予定していた Agile Japan 2020 の開催中止があります。
そこで何かできないかと模索し、オンラインの今だからこそ日本中を巻き込めるのではないかと、Agile Japan地域サテライトイベントの主催者に声をかけ、賛同してくれたメンバーと開催にいたったとのこと。
詳細は、主催者のあやなるさんのnoteをご確認ください。
発表者
平鍋さんの「リモート開発パタンズ」の講演をはじめ、香川(藤田さん)や沖縄(岩村さん)、札幌(横山さん)、仙台(半谷さん)、大阪(平川さん)のアジャイルジャパンサテライトの主催者によるLTを発表していただきました。
参加者
以下のように、日本全国からオンラインで参加。東京からの参加率が高かったので、付箋が密集していますが、北海道から沖縄県まで参加者がおりました。
活用したオンラインツール
本イベントを通して、活用したオンラインツールは、主に以下の5つです。
1つ目は、Remo Conferenceを使い、発表やディスカッションへ参加しました。
その使い方は、以下の記事を紹介していただきましたので、ご参考に。
2つ目は、muralを使い、参加者がどの都道府県から参加したのかを付箋に名前を書いて貼ったりしました。
3つ目は、Clipportを使い、リモートワーク(在宅勤務)等のあるあるなどを平鍋さんがご紹介。それを見ながら、参加者も追記するような活用をしました。
4つ目は、SNSのTwitterを使い、状況を把握するのに使いました。Remo上にチャット機能もありましたが、念の為、ご紹介です。
ハッシュタグ:#agilejapanexpo
5つ目は、イベント後に活用しましたが、Discordです。
イベント会場(Remo)
まずは、イベント参加するにあたり、主催者から教えていただいたURLをもとにRemoにアクセスします。
以下の画面の右側にある緑色の「Join event now」をクリックして、会場へ入場しました。
その後、会場には、各テーブルがありました。
空いている席に座り、参加者同士で雑談をしました。
(Remoでは、空いている席をクリックすると、着席したことになります)
私は、平鍋さんや中家さん、Matsuさんと一緒の4名席テーブルに着席しました。
私たちのテーブルでは、イベント本編が開始されるまで、以下のような雑談をしていました。
- 本日は、どこから来ましたか〜?
→石川県
→福井県
→東京都
→東京都 - 在宅勤務していますか?何か変わったことありましたか〜?
→Zoom利用していたのですが、急に会社から利用停止になり、Teamsを使うようになりました…(ザワザワ)
イベント本編(Remo)
平鍋 健児氏『リモート開発パタンズ』
登壇者:株式会社永和システムマネジメント 平鍋 健児 氏
人が共感しあうのは、「いま・ここ」の一緒にいたときが良いと野中郁次郎先生より聞いています。本日は、それをリモート開発パタンズとして、デジタルの社会に必要なポイントをご紹介します。
例えば、リモートミーティングの場合だと顔と所属を一致させるのが難しい課題があります。そんなときは、ミーティングの参加者はそれぞれの所属の組織のロゴや社内風景など一目でその組織と分かるようなシンボルが入ったバーチャル背景を使う。などの解決策をClipportというツールにノウハウを蓄積しています。
みなさんも、工夫していることがあれば、ぜひClipportに書き込んでいただけると嬉しいです。
伝送路は、デジタルのことを想定してください。
「感じて、考えて、表現する」そして、伝送路(デジタル)の向こうに、相手がおり、他の人を巻き込んでループが生まれます。
その「表現する」「感じる」について、もう少し考えていきたいと思います。
デジタルの場合は、上記の右側のように、「聞く」「見る」は感じることができます。一方で、「触れる」「味わう」「かぐ」は感じることができません。
今夜のように、リモートで一緒に飲み物を飲んで参加することで、少し感じることはできます。
ここで、一番言いたいことは、
「デジタルは表現者が優位」だということです。
表現する側(発信者)の工夫が大切。
表現過剰ぐらいがちょうど良いかもしれません。
例えば、うんうんの首のうなずきを大きくするのでもOKです。
それにより、少しアナログに近づけると思います。
あとは、信頼関係のないところに、どんなリッチな情報を伝えても、伝わりません。
大変参考になりました。ありがとうございます。
デジタル時代で生き抜いていくためには、アナログ時代との違いを理解しながら、アナログの良さをデジタルに近づけていくコトが大切なのですね。
特に、デジタルは表現者が優位であることを認識し、伝えたい相手に思いやりを持ちながら接することが必要と再認識しました。
前提として、信頼関係がないと相手には何を言っても伝わらないので、常日頃の信頼貯金を貯めていくことが必要。信頼関係は崩壊するのは一瞬ですが、築き上げるには、時間がかかります。
常日頃から相手に思いやりをもった気持ちや言葉、行動を意識的に実行したいと思いました。
オンラインがツナぐみんなとAgile459!(香川)
登壇者:Agile Japan 2019 サテライト香川オーガナイザー 藤田 敬之 氏
5月6日は、Agile459オンライン読書会が開催されるそうです。にぎやかし枠もあるので、はじめての参加者も大歓迎とのことでした。
ぜひ、ご興味ある方は、詳細をご確認ください。
10年間の歴史があるのは、すごいですね。
「オンライン読書会のいいところは、本を話題に色々な地域のみんなと感想や意見の交換、悩みの相談ができる」とのこと。それいいですね。
さらに、日本全国とフィードバックループを回したいとのことで、オンライン読書会をきっかけに、日本中の方とツナがれるとよいですね。
そこで私は、早速、参加申し込みをしましたので、当日はお手柔らかによろしくお願いいたします。
Agile Japan 2019 サテライト沖縄 実施報告(沖縄)
登壇者:アジャイルゆいまーる管理人 岩村琢 氏
沖縄には、アジャイル関連のコミュニティが少なかったため、登壇者のいわむーさんが立ち上がったとのこと。
「沖縄のITエンジニアがプロダクトマネジメントやプロジェクトマネジメントに関心を持ったときに、相談できる場所でありたい。」そういう想いを持ち、アジャイルのマインドセットを今後も広めていきたいとのこと。応援していきたいですね。
現在は、オンラインで出来ることのアイデアを募集中とのことです。
何かよいアイデアがある方は、ぜひ教えてください。
私のアイデアは、たくさんあります(笑)。まずは、小さくスタートできる所から始められると良いですね。Agile459のように、オンライン読書会。あとは、オンラインOSTなどから始めるとよいかもしれません。他に、どんなアイデアがありますかね?
コミュニティと紙粘土スクラムの紹介(札幌)
登壇者:アジャイル札幌運営メンバー Yokoyama Tsukasa 氏
4月に開催延期を発表していた、スクラムフェスSapporo2020は、現時点では11月5日-7日に延期予定。ただし、そのときの状況次第とのこと。
また、以下の図のように「レゴスクラム」ではなく「紙粘土スクラム」で、スプリントを回してカイゼンを体験してもらうワークショップが代表的とのこと。
Agile Sapporoも9年の歴史があるとのことで、すごいですね。
568名のメンバー数を誇り、現在も活動を頑張っている、すばらしいコミュニティ。
また、レゴは高いので、他で何かできないか?を考えたときに、紙粘土のアイデアが思いついたとのこと。
創造性の優れたコミュニティメンバーが大勢いるイメージです。
紙粘土スクラムを家でやってみるのも良いかも!?と思いました。
子どもたちは、創造性が溢れているから、すごいのができるのかなぁ〜。
コミュニティの活動紹介(仙台)
登壇者:すくすくスクラム仙台・レッツゴーデベロッパースタッフ 半谷 充生 氏
アジャイルジャパン仙台サテライトは、2011年の震災以降、毎年開催。
楽天株式会社 仙台支社さんの会場は、素敵ですね。
いつも会場提供をありがとうございます。
本日、覚えて帰って欲しいのは、以下のイベントとのこと。
以下は、令和1年のイベント風景です。
半谷さん、いつもありがとうございます。
毎年、すごいイベントを開催できるのは、コミュニティ運営メンバーのパッションですね。
レッツゴーデベロッパーのイベントは、仙台の運営メンバーだけでなく、東京にいる、すごい方(綿引さん)と連携しながら、毎年豪華なトップエンジニアの方が集結する。
そして、日本各地から仙台にデベロッパー戦士(開発エンジニア等)が集合する仕組みは素晴らしいですね。
昨年は、運営サポートできなかったので、今年は何かサポートでお役に立てたらと思います。
リモートワークはじめたら前より良くなった!?(大阪)
登壇者:アジャイルジャパン大阪サテライトの中の人 平川 隆仁 氏
今回のLTは事例紹介がメイン。
今働いている会社はこんなところ、
・エンジニアが全社員の約半数
・コアタイムなしのフルフレックス
・週一程度のリモートワークもOK
・誰がいつ仕事してるかわからん
・Slack上でのやりとりがやたら多い
・”変えたくない” , ”変わりたくない”人達
(早々に転職したくなったけど)
少しずついろんなチャレンジをして、入社当初より良くなってきた。
「みんな一生懸命(ムダに)テキストコミュニケーションしてる」
まずは、1週間おためしに、仮想オフィス(Remo Virtual Office)を導入したそうです。
・仕事風景が見えるようになった。
・少人数での会話がしやすくなった。
などの効果がありました。
その結果、次のように、Slackメッセージ数に変化が起きました。
考察:
Slackに一生懸命書き込みをしている。
↓
他のメンバーと密にコミュニケーションをとって仕事してる/できている…という認識のすりかえがおきているかもしれない。
↓
ムダなことをしている人は、自分がムダなことをしていることに気づいていない(かもしれない)
↓
マネージャーやスクラムマスターの頑張りどころ
↓
いろんなことにチャレンジしよう!
面白くない大阪人代表と自己紹介から始まったLT。
さいごに何かオチがくるのかとずっと期待していました。
事例は、Before/Afterを確認でき、大変参考になりました。
リモートワークが拡大する中、テキストでのコミュニケーションも増え、改めて考えるきっかけになりました。
アジャイルソフトウェア開発宣言の「プロセスやツールよりも個人と対話を価値とする」表現が私の頭に浮かびました。
対話の重要性、オンラインならではの対話の工夫が必要だなぁと考えるきっかけになりました。ありがとうございます。
ディスカッション
Remoを使って、テーブル別ディスカッションを行いました。
以下の4つのリモートワーク絡みのトピックに基づき、各フロアに別れてディスカッションを15分2セットで実施しました。
【トピック一覧】
1F:
リモートでのチームコミュニケーション、どうしてます?
ふりかえり/デイリースクラム(朝会)/ ちょっとした声かけ・雑談 など
2F:
リモートでの開発・運用、どうしてます?
モブプログラミング/タスク管理、カンバン/リリース作業 など
3F:
リモートでのマネージメント、どうしてます?
ON/OFF切り替え/1on1/評価 など
4F&5F 雑談エリア、なんでもOK
リモート用の椅子とか機材/昼休みの過ごし方/どうぶつの森のフレンドになりたい など。
私は、1Fのトピックに参加しました。
以下は、私が着席したテーブル(5名)での主な質問集です。
- リモート朝会は、どうやっているのか?
- リモート雑談は、どうやっているのか?今までのお菓子配りの代替手段は?
- リモート画面は、表示をオンにしているのか?
- お客さんとの会議の仕方に、どんな変化があったのか?
- オンラインのツールは、何を使っているのか?
- アジャイル自体もリモートでやっているのか?
- 何か日頃から工夫していることは何か?
あっという間に時間がすぎ、クロージングに入りました。
クロージング
このあとのしゃべり場を用意しているとのことで、以下のDiscoardの情報をご提供いただきました。
オンラインで日本中をつなごうというコンセプトで、第一回を開催しました。
引き続き、交流していけるような場を2回、3回と今後も作れたらと思っています。
【オンライン】Agile Japan EXPO #1 実行委員 あやな 氏
とりあえず、Discoardなんだろうと思っても、まずはご参加を。
今後もつながれれば、幸いです。
イベント後のしゃべり場(Discord)
Discoardは、以下のように、テキストのチャットと通話(動画も可能)がブラウザ上で利用できるサービスです。
通話中に音声を流したり、PC画面を共有できたり、様々な機能があります。
以下のDiscoard上で、LTの登壇者の発表の感想や参加者からの質問などをテキストや通話でしゃべり場上で楽しみました。
イベント後も、運営メンバーや登壇者、参加者とのつながる場として、最高の場だなぁと思いました。今後も、Discordはオープンしているとのことで、今回参加できなかったた方もご興味ありましたら、覗いてみるのは、いかがでしょうか?
まとめ
【オンライン】Agile Japan EXPOの運営メンバーのみなさま、登壇者のみなさま、参加者のみなさま、ありがとうございました。
おかげさまで、大変良い刺激やたくさんの気づきが得られました。
日本中に、素晴らしい活動や想いをもった方が大勢いることを再確認できました。
オンラインであれば、日本に閉じず世界ともつながれそうですね。
市場環境の変化や仕事の進め方の変化により、アジャイルにカイゼンしていくことが今後日本の明るい未来を創っていくために必要だと思います。
「日本の業界をより良くしていきたい」そんなアツい想いをもったアジャイルコミュニティが日本中につながることで、今後の変革ができると思います。
より良い未来を一緒に創っていきましょう!